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香瓔ニュース

2024 香瓔セミナー報告

2024年08月07日研修会
と き/2023年8月3日(土)・4日(日)
ところ/兵庫県民会館

毎年開催している、年に1回のセミナーです。
今年は126名にご参加いただき、初参加者は27名でした。
A~Fの6つのコースに分かれ、北海道から長崎まで全国の皆様が集まり学びました。
学生の参加も多く、例年以上に活気に溢れていました。

【A】基本コース/講師:中野宣子先生、吉田美和先生
昨年の受講者より「もっと基本的なコースが欲しい」とのご要望からできたコースです。
初参加の方や学生、また指導者まで幅広く参加され、筆の持ち方、書く姿勢、用具用材の選び方等、基礎から進んでいきました。


基本の線の書き方から半紙四行書き、そして2日目にはそれを基に半懐紙に散らし書きへの展開を学びました。



その後、先生方の作品も見せていただき、大変参考になりました。


最後には作品仕上げをし、優秀作品が選出され、先生方よりご講評いただきました。
初歩の方でも、2日間で見違えるほどの立派な作品が完成していました。


【B】臨書『香紙切』コース/講師:丸山宏信先生、中村暢子先生、兼平春鈴先生
現在、競書雑誌『書香』の連載「入門・古筆に学ぶ」より、今年のテーマである『香紙切』を勉強しました。
今回はプロジェクターを導入し、スクリーンに映った講師の拡大した手元で、筆先の細かな動きを見ることができるようにしました。


初日の臨書は転折と回転の筆づかいを中心に、2日目の倣書は意義や取り組み方について考え、最後は作品づくりへの活かし方を学びました。


最後の倣書での優秀作品の選別では、先生方が迷うほど、どの作品も見応えのあるものばかりでした。



参考文献等の資料も充実し、作品制作への考え方など大変興味深い内容でした。


【C】帖コース/講師:原 奈緒美先生、伊地知紀子先生
今年の帖コースは、事前連絡の際、4枚か8枚かの選択・作品制作と共に【自己確認シート】を書いてもらいました。
「どんな筆を使ったら良いか」「どんな紙を使ったら良いか」「景色の作り方がわからない」「いつもマンネリになってしまう」など12の項目について、【自分が何が分からないのかを明確して欲しい】という思いからだそうです。

まず初めに【自己確認シート】と共に書いてきた帖作品を広げ、皆で見合いました。
この段階で受講者は、自分の作品のどこに問題があるかということに気づいています。
全ての項目にチェックを付けた方もいたようです。
その後、【自己確認シート】のチェック内容について、先生方で口頭で説明できる部分は口頭で説明していただきました。
最終的な受講生のアンケートでは、この「【自己確認シート】がとても良かった、これについての説明が有難かった」という声がとても多かったようです。



その後は帖作品を書くにしても行の作り方が大切だということで、行の勉強をした後、それぞれの課題に向き合い、 何度も添削を受けながら、熱心に取り組んでいました。
途中で先生方の参考作品も見せていただき、そちらも大変勉強になりました。


2日目12時には作品を仕上げ、昨年と同様、皆で投票し合って優秀作品を決め、先生方からもご講評いただきました。



【D】巻コース/講師:西川壽一先生、正橋白鵞先生
1mに和歌4首を書くことを目標に、まず、1首を半紙横5、6行書きにし、行を考えました。
困った時は自分で考えるのではなく『関戸本古今集』の連綿を参考にすると良いそうです。
行書きの4首をバランスよく並べ、書き進める中で色んな要素を踏まえ、巻作品を制作していきました。






途中、先生方の参考作品も見せていただき、大変勉強になりました。


講師の先生方より、巻作品を書くコツや達成感を味わうお話等、とても興味深いお話もありました。
最後は先生方が優秀作品を選ばれ、ご講評をいただきました。


【E】大字コース/講師:牧野聖雲先生、廣田蓬邨先生、福井淳哉先生
① 基本コース(牧野先生、福井先生)
大字仮名における基本の用筆を、講師の先生方の作品を基に学んだ後、初日に半切縦サイズ、2日目に2×6尺の横半分サイズの紙に書き、縦線や横線、どう違い何が大事かを学びました。




実際にその場で書いている際に、先生方が回ってくださり、書く姿勢や筆づかいを一人一人丁寧にご指導いただきました。



最後は、受講者全員で優秀作品を選び、先生方よりご講評をいただきました。

② 検定試験コース(廣田先生)
検定試験に向けての作品の構成や執筆法、用具用材について等、一人一人に寄り添った丁寧なご指導をいただきました。





【F】ジュニア指導コース/講師:藤井直子先生、大﨑水愁先生
全国的な書道展やジュニア競書誌『かおり』でもたくさんの優秀な生徒さんをご指導・輩出されている藤井先生と大﨑先生より、手本書きの実習を行いながらジュニア指導方法のポイントを学びました。



実際に学校で使われている教科書を見ながら手本書きの実習、基本用筆など指導ポイントを考え、その後、生徒さんが書いた毛筆や硬筆の作品を見ながら、講評するなどして指導方法を学びました。



また、使用している筆や紙の情報交換や、日頃の指導する際に気を付けていること、普段の教室の様子や生徒さんや保護者へ配慮していることなど、アットホームな空間で、具体的な質問に対して様々な意見や情報が飛び交い、充実した研修となっていました。


◆岩永理事長による作品添削
セミナーと並行しながら、2日間でたくさんの作品を添削いただきました。
ありがとうございました!





全員で集まった閉講式では、受講者の充実感に満ちた表情から、大変有意義なセミナーであったことが伝わりました。
また、受講者からは「勉強になったばかりでなく、新たなお仲間もできて充実していた」等、嬉しいお言葉もいただきました。



▲岩永理事長(このひまわりは榎倉会長がお好きだったシンボルフラワーです♪)

▲セミナー担当 廣田蓬邨先生

岩永理事長を始め、最後まで熱心にご指導くださった各コースの講師の先生方、サポートしてくださったスタッフの先生方に感謝申し上げます。


今年の反省点も踏まえ、また来年の香瓔セミナーでも皆様の学びにお役立ていただけるような充実した内容を企画してまいります。
共に学び、高め合える新たなお仲間も作りませんか?
来年も皆様お誘い合わせのうえ、ぜひご参加ください。
また皆様にお会いできることを楽しみにしております!

※各コースで選出された優秀作品は、来年度の会報に掲載されます。
会員の皆様は楽しみにお待ちください!

最後に今年の第40回読売書法展の受賞者のお祝いをしました。
受賞された皆様、おめでとうございました!



(情報部U)
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